我々はヨーロッパを救済しようとしているのではない!?
もし淀川長治さんが映画評論家ではなく株の評論家だったら、今日の爆発的なマーケットをどのように解説しただろうか、などと考えていたら楽しい気分になってきた。4%を超える、とにかく強烈なラリーが展開されたわけだが、買い材料となった二つのニュース・ヘッドラインを見てみよう。 ・中国、預金準備率0.5%下げ 3年ぶり金融緩和へ :日本経済新聞 ・日米欧、ドル資金供給を拡充=欧州危機に対応 :時事ドットコム そして米国内のニュースでは、11月のADP全国雇用者数は予想されていた+13.0万人を上回る+20.6万人と発表され、今週金曜の雇用統計が明るい内容になりそうだ、と期待感が高まっている。 さて二番目のヘッドライン、「日米欧、ドル資金供給を拡充=欧州危機に対応」を見たら、この絵を思い出した。 早速こういう批判が出ている。 連銀のしていることは2008年の金融危機の時と大して変わらない。2008年の時は、政治的なつながりの深い大きすぎて潰すわけにはいかない企業を救い、今回はヨーロッパを救済する。そもそも、ヨーロッパの経済危機の原因になったのは法定不換紙幣だ。ここで法定不換紙幣を更に注入することは、問題の解決にならない。(ロン・ポール下院議員) しかし、ダラス連銀のリチャード・フィッシャー総裁は、「今回の措置は経済成長のためであり、ヨーロッパの救済ではない」、と述べている。 話をもとに戻そう。とにかく今日のマーケット急騰には驚いた。昨日火曜の弱い引け方を見たら、まさかこんなに強い上昇が訪れようとは、まったく想像することができなかった。特に、半導体銘柄は下げるに違いない、と思った人が多かった筈だ。 上は、半導体銘柄に投資している上場投信の日足チャートだ。Aが昨日のローソク足。50日移動平均線に達することなく失速、ほぼ安値引けという形だから、明日は下げるぞと思った人が多かったことだろう。しかし、今日形成されたのは大陽線(B)。騙された、と慌てた人も多数いただろうが、騙しもパターンの一つだから諦めるしかない。 下はS&P500指数の日足チャートだ。 形成されていた三角形の線を延長させたものだが、今日の終了は、ちょうどこの延長させた上辺の所だ。言い換えれば、買っていた人たちには全部売らないまでも、一部手