屈辱を味わう著名ファンドマネージャー: 後悔する一個人投資家

投資家やトレーダーは、株式市場から何を得ようとしているのだろうか。「儲けることに決まっているだろ」、と言われる方々が多いことは分かっているが、エド・スィコータ氏はこんなことを述べている。

まるで損を出すことが目的であるかのようなトレーダーがいる。だから彼らは、敗けを重ねることで勝利を得るのだ。

辛辣な皮肉といった言葉だが、証券業界で働いている者の一人として言えることは、百戦百勝などというトレーダーや投資家にお目にかかったことは一度もない。10連勝、15連勝という話ならよく聞くが、次にやって来るのは連敗だ。

ジョン・ポールソンという有名なヘッジファンド・マネージャーがいる。低所得者向けの住宅ローンであるサブプライムローンの破綻予想が的中し、空売りで200億ドルというヘッジファンド史上最高の利益を上げたファンド・マネジャーだ。そしてその後、金の大幅上昇に上手く乗り巨額な利益を得ている。

しかし今年のポールソン氏は全く冴えない。CNNマネーはこう報道している。

低迷の続くバンク・オブ・アメリカ、そして不正行為疑惑で大幅下落となったサイノ・フォレストへの投資が悪影響となり、ポールソン氏のヘッジファンドは約30%の損が出ている。
(大井幸子氏がサイノ・フォレストについて書いているので参照してほしい。)


そして今年冴えないもう一人は、債券王と呼ばれるビル・グロース氏だ。

米国債10年物の利回りが3.5%だった今年1月、グロース氏は米国債は世界で最も割高だと語り、国債の売りを公言した。しかし国債のラリーは止まることがなく、グロース氏のファンドの成績は、最下位グループに属する結果となっている。(moneywatch.bnet.comから抜粋)

ビル・グロース氏

余談になるが、グロース氏が国債売りを宣言をしたとき、私は動揺してしまった。けっきょく短期国債ファンドだけを残して、長期国債ファンドを売ってしまった。もちろん後悔している。他人の意見を100%鵜呑みせず、チャートを見ながら投資することがモットーなだけに、あそこでの売りはどう考えても間違っている。傷口に塩をすり込むようなことはしたくないが、下は長期国債に投資しているETFの週足チャートだ。




円で囲った部分が今年の1月、グロース氏が売りを発表した時だ。見てのとおり、Aで示したが、直ぐ下にはサポートラインが走っている。売るなら、このサポートラインを割ってからでも遅くない。もっと言えば、下降が続いた後だけに、一転反発の可能性を考慮するべきだ。




そして上が今年に入ってからの動きだ。サポートラインを割ることなく、見事にラリーを展開している。さて二日ほど前のニュースになるが、グロース氏は方向転換して国債を買っているという。よし、買いだ!!!


(情報源:Investor John Paulson: Alone at the bottom

Lessons from Bill Gross’s “Mistake”

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