好調な不動産投資信託
・ 「5月頃から夏にかけて、住宅の売上は季節的に好調になるが、既にアナリストたちは冴えない売上見通しを発表している。」 --- デービッド・ブリッツアー氏(スタンダード・アンド・プアーズ) (火曜に発表されたケース・シラー住宅価格指数はまたしても下落となり、米国住宅市場の二番底入りが報道されている。) ・ 「米国の経済回復が弱い最大の原因は住宅市場だ。普通なら、住宅市場が景気の自律的な回復に大きく貢献するのだが、今回は全くその兆しが見えない。住宅バブルの崩壊は、今日も米国を苦しめている。」--- レックス・ナッティング氏(marketwatch.com) 記録的な低金利、下がり続ける住宅価格にもかかわらず、アメリカ人たちはなぜ積極的に住宅を買わないのだろうか?去年の8月になるが、こんな意見がmarketwatch.comに掲載されていた。 家を買おうと決心するためには、将来に対する明るい見通しが必要だ。今日の状況を見る限り、米国経済には、大した希望的な材料が無い。住宅市場が回復するためには、更なる住宅価格の下落が必要だという意見もあるが、そんなことを信じてはいけない。もう既に多くの地域で、住宅価格は25%を超える下げとなっている。住宅市場の回復に必要なのは職だ。こんなに多くの人々が無職では住宅市場は回復しない。 2010年12月、米国の失業率は9.4%、2011年1月は9.0%、2月は8.9%、3月は8.8%、そして4月はまた9.0%に戻ってしまった。しかし問題なのは、職探しをあきらめてしまった人たち、それにフルタイムで働くことができずパートで働いている人を含めると、数字は9.0%から15.9%に跳ね上がってしまう。 さて、ここで日足チャートを見てほしい。 好調な上昇が展開されているが、これはリート(不動産投資信託)指数だ。リートは、投資家から集めた資金で一戸建ての住宅、アパート、マンション、商業用物件などの不動産を購入し、そしてそれらから得た賃貸収入や売買益を投資家に分配する仕組みになっている。 テレビでは、住宅市場のスランプばかりが報道されているから、これを聞いていると全ての不動産がダメだと思ってしまう。住宅の売上は不調でも、人々は住むところが必要だから、アパートなどを借りることになる。不動産=ダメの先入観を持っていると、リートは見